走島は以前からずっと行ってみたいと思っていた場所でした。

この島のことを知ったのはある旅行ブログがきっかけでした。
港の片隅で朽ち果ててしまった漁船たちの姿は、この島でしか見ることができないであろう非日常のもの、 まるで時が止まったかのような風景のように思えました。

波静かな瀬戸内の海を小さな船で渡ってたどり着いた走島は、 ひっそりとした時間を刻む穏やかな島でした。 僕が非日常と感じた沈みゆく漁船たちは、 島の日常の中にゆったりと溶け込んでいました。 自然と言い換えることもできる大きな時間の流れの中に、 船は静かにその身を任せていました。

自然とは、止ることなく流れていく時間のこと、 そんなことを思わせてくれた走島の風景でした。