ARTIST
mocha特別インタビュー特集
さまざまな場面で注目を集めるイラストレーターmocha。
今回はそんなmochaの制作秘話やこだわりに迫ったインタビュー*を抜粋して特別公開いたします。
*2022年12月に広島産業会館にて開催された「神絵祭」mocha来場イベントにて実施
《 mocha 》
イラストレーター。
アニメーション背景制作会社から独立以降、企業やアーティストとのコラボレーションアートをはじめ、その制作活動に多くの視線が注がれる。
現実とファンタジーの狭間の世界を圧倒的な描写力で描き、シルエットや人物を巧みに使いながら物語のワンシーンを思わせる独創的な作品を生み出している。
■「風景」との出会い
―風景の魅力に引き込まれたきっかけはありますか?
mocha:新海誠監督がきっかけです。
同じ頃に背景を始めた人は皆が通る道だと思いますが、背景であそこまで世界を表現できて、可能性を感じさせられるというのは今まで見たことがなく、完全に引き込まれました。
―現在も新海誠監督への憧れや、自身の作品への影響はありますか?
mocha:どうなんでしょう。普通よりちょっと派手にするというのはあるかもしれないですけど、今はそこまで新海監督を目指そうとはしていないと思いますね。
ただ、当時憧れだった『秒速5センチメートル』という映画。その良さというのは、日常生活の中にファンタジーがちょっとだけ入っていて、それが凄く綺麗に見えるところ。そこに感動したから今があるのかもしれないですね。
■絵にかける思い
―絵を描く上でのこだわりはありますか?
mocha:人物はあくまで自然体に描き、風景が感情を伝えられるようにしています。
自分の中の葛藤みたいなものや色々な心情を人物が表現するのではなく、周りの風景がそれらを伝えられるように描いています。
―人物の仕草などの細かなリアリティにこだわっているからこそ、幻想的な風景とのコントラストがより一層美しく感じられるのですね。
―描く風景には、モデルになる場所や参考にしているものはありますか?
mocha:基本的には自分で旅をして、参考資料となる風景の写真を撮影しています。だいたい月に一回は撮影に出かけます。
あとは、事前にその土地の情報を調べて裏付けを取ってから描くことが多いです。自分より詳しい人が沢山いるSNS時代なので勉強してから描くことが使命になっているような気がしますね。
―星空が描かれた作品が多いですが、やはり夜に行くことが多いのでしょうか。
mocha:実は、絵の参考にするときに細かいところまでわかるように、撮影は基本的に昼間に行っています。
―なんと。それではあの幻想的な星空や夜景は先生の想像のままに描いているのですね!驚きです。
《星溜り》 ©mocha
▲ 屋上に静かに佇む少女と、まるでプラネタリウムのような満天の星空。彼女はひとり何を思うのか。
■風景イラストレーターだからこそ
―職業病のような、ついやってしまうことはありますか。
mocha:職業病かはわかりませんが、普段人が行かないようなところに行きたくなったり、見たくなったりはしますね。
―それは何故なのでしょうか?
mocha:アニメーション背景制作時代の影響ですね。例えばライブをテーマにしたアニメの作画だったら、舞台だけではなく、その裏側の舞台袖とか控室を背景で描かなくてはいけなかったりするので。
―なるほど。人が気にも留めないような所をじっくりと見る観察眼が養われているからこそ、ありそうでない独特の世界観を表現できるのですね。mocha先生の描く「日常の中に潜む非日常」の世界に不思議な説得力がある理由が分かった気がします。
《跡形》 ©mocha
▲ 廃墟を描いた作品。実在しそうで、しかし暖かい日差しの下で生い茂る草木がどこか異世界のよう。
■「星空」の次に
―次に描きたい風景や実在の場所などはありますか?
mocha:今までは空の絵をたくさん描いてきたので、次は海かなと思っています。個人的に海には憧れがあるので。
実はもうすでに海の絵をいくつか描き溜めていて、画集も出るかもしれません!
―貴重なお話をありがとうございます。今後発表される作品も楽しみにしています!
©mocha
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